借金整理、本当の話

借金が多すぎる人の最終手段の債務整理。その実際の話を語ります。

任意整理は私に適しているか?

相談員の方に「まずは任意整理の方向で進めませんか?」と提案されました。
それで、任意整理の内容を詳しく聞きました。

任意整理とは、裁判所に申し立てるのではなく、各債権者(私の場合は金融業者)に個別に交渉する方法です。
交渉するのはもちろん弁護士事務所の人です。私の出る幕はありません。
交渉内容は、借入金の減額、利息の減額、今後の返済金額や返済方法、過払い金があった場合はその返還請求などになります。

最高にうまく行った場合は、利息を完全にゼロにしてもらい、これまで払った利息も元金の返済に充当し、返済残金が減るという場合です。

この任意整理は、各業者と個別の交渉なので、業者ごとに違う結果になることが珍しくないそうです。
中にはまったく交渉に応じない業者もあるようで、そうなった場合は今までどおりの返済を続けるしかなく、しかもその業者には返済のみで借りれなくなるのです。

ただ、任意整理は親兄や会社に知られることがなく進められるのはメリットです。

ですが、信用情報機関には記録が残るので、完済しても何年かは新たな借入契約やクレジットカードを作ることができないようです。

私の場合は、過払い金がなかったため、借金の減額幅はできたとしても小さいようでした。
それだとあまりメリットがないように思いました。

借金の返済がストップ!

借入先の一覧表を債務整理を依頼した事務所に渡すと「すぐにこれらの業者すべてに連絡を取って、支払の請求を止めさせますから、今月から支払わなくていいですよ」と言われました。
これはもう踊りだしそうになりました。じゃあもう何もしなくても、、、と言いかけたら、「でも借金が無くなったわけではありません。一時的な処理ですから勘違いしないでください」

そりゃそうですよね。これで終われれば誰も苦労はしません。
しかし、一時的とはいえ支払わなくて良いというのは一番望んでいた状態なので、一番うれしかった瞬間でした。

返済がなくなれば毎月の生活にゆとりがたっぷりできます。永らく経験したことのない感覚です。
でもここで緩んではいけません。無駄遣いのない生活を送っているところをあとで裁判所に見せる必要があるからです。
それを証明するために家計簿をつけさせられたのだと思います。

また、弁護士事務所への債務整理の依頼は、1回目の相談は無料ですが、その後の依頼にはお金がかかります。
依頼した時の私にそれを支払うお金はありませんでした。私に限らず債務整理しようとする人は同じだと思います。
なのでこの時期に作る必要があります。
これまでの返済金がなくなるのですぐに作れました。

そしていよいよ私の債務整理の方向を決める相談です。

債務整理とは?

債務整理というのは、自己破産も含めた借金整理方法の総称なのです。
その中には、自己破産、任意整理、個人再生などがあります。

簡単に説明すると、
自己破産とは、今ある財産と借金を全部まとめてチャラにするというやり方です。
任意整理とは、借りている消費者金融と直接交渉して、利息や元金を減らしてもらったり、毎月の返済額を下げてもらったりすることです。
個人再生とは、破産のように財産をゼロにせずに借金を大幅に減らせる方法です。

どれにするかは自分一人で決めるわけではありません。相談員の方に詳しい自分の状況を知ってもらってから二人で相談して決めます。

まず私のやることは、どこからいくら借りているかを一覧表にすることでした。
そして、自分の財産目録の作成です。
財産と言っても、不動産や車はなく、バイクが一台あるだけだったので、渡された書式を埋めていくだけで、意外と簡単にできました。

それから、借金するようになった経緯をできるだけ詳しく文章にしました。
これは結構大変でした。仕方なく借金してしまった感を出そうとしたからです。
それは見栄を張りたかったのではなく、そう書いたほうがいいと相談員さんに言われたので頑張りました。

また、家計簿をつけるように言われ、つけ始めました。
今までコンビニで買い物をしてもレシートはすべて捨てていましたが、持ち帰る様になったり、いろいろ面倒なことが増えました。
でも、生活をやり直す儀式のようなものと考えて真面目に取り組みました。
この時は思いませんでしたが、家計簿をつけると特に意識してなくても出費が抑えられます。これは良い事に気づいた、借金整理が終わっても続けていこうと思ったのですが、最近はサボっています。
でも債務整理以前に比べて金銭感覚がシビアになったように思うのは、家計簿をつけたことが大きかったんじゃないかと思います。

債務整理入門

自己破産についてはそういう制度があることは一応ある程度は知っていました。
でも、「破産」という言葉に抵抗があったんですね。
自分は社会の負け犬だと認めてしまうような感じです。

でもそれはつまらないプライドでしかありません。現実的に払えないほどの借金を抱えているほうが恥ずかしいのです。

そう考えて、ネットで見つけた債務整理の事務所のサイトに自己破産の相談のメールをしました。
この時はまだ自己破産以外の方法がいくつもあることを知りませんでしたが、相談してみると破産せずに借金を整理する方法もあることを知りました。
これを知っただけでも価値があったなと思いました。
それはまだ無料相談だったので「あなたの状況なら何らかの形で債務整理できますよ。私どもに依頼しませんか?」と言われましたが、無料相談だから見栄を張って借金額を少なめに収入は多めに言ってたんですね。
それで本当に債務整理の依頼をすれば本当のことを話さないといけなくなるので嘘がばれるのが恥ずかしくて、もう少し考えます、と返答しました。

そして別の所にはじめての振りをして相談してみました。
そこは電話してきたのが私より若そうな男性でマニュアルを読んでいるのが丸わかりで頼りなく感じたので、さらに別のところにも相談してみました。
そこはある程度歳のいった(失礼!)男性で慣れた感じがしたので、ここに依頼しようかなと思いましたがとりあえずはもう少し考えますと言って電話を切りました。

さらにもう1件相談してみると、ある程度年配の女性で話しやすかったので、そこに依頼することにしました。
どこも話す内容は同じ様な内容ですが、これ以上同じ相談をするのも疲れたこともあってそこに決めました。

そしてここから本気の借金整理が始まりました。

私の借金事情

当時の借金総額は約280万円。
おおよその内訳は、A銀行に100万円、B社に50万円、C社に50万円、D社に30万円、E社に30万円、F社に20万円って感じでした。
毎月の返済額は、合計で8万5千円。
ボーナスは出ない契約になっているので、支払はこれだけ。
毎月それだけ払っていても、全然借金総額が減りませんでした。
それもそのはず、返済して借入限度額に余裕ができたら、その分また借りていましたから。利息だけ払ってジャンプするのと同じようなことをしてたんですね。

上に書いた各社の借入額は、それぞれの金融会社の限度額と同じです。
つまり、それ以上借りるなら新たな消費者金融に借りるしかない状況だったんですね。
でも新たには借りなくて、なんとか毎月暮らしていけてました。

そんな時、実家の父親に癌が見つかり手術することになり、姉から10万円でいいから出せと言われました。
借金があることは言えませんでしたが、貯金がまったくないので無理だと言うと、姉は私の分も代わりに出してくれました。

この時は姉のおかげで実際にお金を出さずになんとかなりましたが、これが身内のことではなかったら、、、と考えたら恐ろしくなったのです。
いざという時のために貯金しておかなくては。普通の人は皆そうしているんだから。と考えました。
そしてまず今ある借金をちょっとづつでも減らしていくことを考えました。

しかし、きちんと計算すると毎月払っている8万5千円の内、元金に充当されるのは3万円ちょっとだけだったんですね。
だからそのまま真面目に払い続けても払い終わるのは12年後になる計算です。
そこからやっと貯金できるようになるわけです。
実際は給料日前にやっぱり足りなくて借りたりするので、12年よりもっと先になると思います。

それまでまとまったお金が必要になることがないとは言い切れません。
むしろある可能性のほうが高く感じられます。
ていうか、今のままでは結婚もできません。

そこで債務整理に行き着いたわけです。

借金は返せません

溜まりに溜まってしまった借金はそのままでは絶対に完済することはできません。
なにか大技でも使ってうまくしないと返すのは不可能です。特に返済金に充てるために新たな借金をし始めた人はもう借金地獄から抜け出すことはできません。
かつての私がそうでした。今から思えば、あの頃の私は感覚が麻痺してしまっていて、とにかく借りれれば何とかなると思っていたのです。
実際なんとかなっていたのが悪かったのでしょう。
でも、そのままではなんとかならない状況になってしまったのです。
本来健全な借金とは、急な出費が起こって自己資金ではまかなえない時に生まれるものなのです。
ところが私の借金始めは、単なる飲み代でした。だから借金に対して軽かったんだと思います。

そのまま借金額が膨れ上がっていたときに本当に急な出費がやって来ました。
そこでやっと重いまぶたを上げて自分の生活を見直しました。

そして、ちゃんとしなければいけないことに気づきました。
本当はとっくに気づいていたのですが、気づいていることを認めるのが怖くて気づかないことにしていたのです。

私の話は置いといて、、、で、借金をうまく片付ける方法ですが、
はっきり言って、簡単な方法はありません!

よく、弁護士さんに頼んで債務整理して貰えば簡単だという話を聞きますが、依頼したあとが結構大変なのです。
まあ、自分の生活を見直すいい機会を与えてもらったってことなんですが、自分がやる作業量は結構あります。

順にそれらを書いていきますので、借金が溜まっている人は参考にしてください。