借金整理、本当の話

借金が多すぎる人の最終手段の債務整理。その実際の話を語ります。

債務整理を依頼する事務所の選び方

債務整理を依頼するところは、弁護士事務所や司法書士事務所ならどこでもいいわけではありません。
法律的にはどこでもいいのでしょうが、債務整理を専門に、あるいは得意分野としている事務所でなければうまく行かないでしょう。
幸いにも今は「債務整理を請け負います」というような広告はネット上ですぐに見つかります。
広告を出しているような事務所はどこも自信があるでしょうから、基本的にはどこで頼んでも大差はないと思います。

私の場合、1件目に相談した所で見栄を張って嘘の申告をしてしまったので、恥ずかしくて他の事務所にも相談しました。
そしてついでにもう一軒無料相談してみました。
それでわかったことは、事務所がどうのよりも自分の担当になる人が重要だということです。
そしてさらにもう一軒相談した所の相談員の方がとても話しやすかったので、そこに正式に債務整理の依頼をしました。

料金はどこもどこも変わりません。依頼する内容もその後の段取りや作業も同じです。
事務所の基本方針などは多少違うかもしれませんが、利用する側として肌で感じるのは、相談員の方の話しやすさだと思います。
それには人と人の相性も大きいでしょう。
私の場合、相性のいい人を探していたわけではないですが、結果的に4軒もハシゴして一番自分に合う人に決めました。
どこも最初は相談無料なので、何軒か当たってみるべきです。
債務相談をしているのは、弁護士事務所と司法書士事務所がありますが、弁護士事務所のほうが優秀というわけではないようですし、自分のフィーリングで選べばいいと思います。

こちらに債務整理相談の事務所をいくつも紹介しているサイトがあります。これは便利です。

        債務整理相談事務所紹介

 

債務整理のススメ

前回まで私の破産した体験を書いてきましたが、正直なところ、破産してホントに良かったです。
なぜもっと早く破産しなかったのだろうと後悔するくらいです。

もし、これを読まれている人で、借金が多額になり返済に苦しんでいる人がいらっしゃるなら、1日も早く債務整理すべきです。
人それぞれ置かれている状況は違うでしょうが、まずは弁護士さんか司法書士さんの事務所に相談すべきです。

相談するときの注意ですが、私のように見栄を張って借金額を少なく言ったり、収入を多く言ったりすると、後で面倒なことになったり、余計に恥ずかしくなるので、最初から恥ずかしがらずに正直にすべてお話すべきです。
借金漬けになった理由が、とても人に言えないような恥ずかしい内容だったとしても、包み隠さず全部さらけ出しましょう。
破産にしても個人再生にしても、最後は裁判所の裁判官の判断になりますので、破産が認められにくい内容であればなおさらです。
弁護士さんとの相談の段階では、内容はまだ裁判所には伝わりません。
そして、裁判所での破産の本番時に備えて、提出する書類の文章のアドバイスもあらかじめ相談員の方からいただけます。
だから、もし、相談の段階で嘘を言っていて、裁判所まで行ってからその嘘がばれてしまったら、裁判官の印象は最悪です。

任意整理することになった場合も同じだと思います。
任意整理を依頼した弁護士なり司法書士の事務所と金融業者が直接話し合いをするわけですから、あなたが依頼した事務所に伝えていたことと相手の金融業者が持っている記録が食い違えば、話はうまくまとまりません。

ですから、相談するときはとにかく正直にすべてお話しするようにしましょう。それがうまく債務整理する近道です。

 

 

 

破産免責後の日々

破産、そして免責を受けた後の生活は、表面的には驚くほどまったく変わりませんでした。
裁判所に行った日は体調が優れず出社できないと連絡していたので、周りの人は誰も私が破産したことを知りません。
だから、以前と同じように朝起きて会社に行き、仕事して、仕事が終われば帰宅する。
ただ、以前は同僚らを自分から飲みに誘うことはなかったのですが、破産後は自分から誘うようにもなりました。

まあ、普通の生活なんですが、開放感というか何事にも余裕を持った気分でいられました。
以前は自分でははっきりとは気づいてなかったけれど、どこか追い詰められているような気が絶えずあったんだなと思いました。

学生の頃は音楽が好きでよく聞いていたんですが、近頃は全然聴いていませんでした。
借金があったから聴いてなかったわけではなかったのですが、久しぶりに昔好きだったエリッククラプトンのCDをかけてみたら、昔聴いていた時のような心地よい音楽でした。
借金が無くなったからなのか、久しぶりだったからなのかはわかりませんが、破産前に聴くのとは違ったように思います。

そのほかにもいろいろ気持ち的にいいことはありますが、何よりも以前と違うのが金銭感覚です。
以前は、給料日まであと何日あっていくら必要か?とかはまったく計算してなくて、「足りなくなれば借りればいい」というのが基本的に頭にあったのです。

今は、借りようとしても借りられません。なんせ破産者ですから!
ブラックリストに載って借りれなくなるというのは、以前に破産のデメリットのひとつとして挙げていましたが、これはむしろメリットだと思います。
どこからも借りれないのですから、借りずに毎月暮らしていくことが絶対必要になります。
この感覚をしっかりと身に着ければ、この先も余裕を持って生きていけると思います。

 

 

 

破産宣告、そして免責

待ちに待った判決の日、結果は、破産そして同時に免責!
社会的にはもちろんまったく褒められたことではないのは重々わかっていますが、最高に晴れやかな気分でした。
一時的に借入金の支払の請求が止まるのではなく、永久に支払の催促がないのです。
この気持ちは開放感というか、生まれ変わったかのような新鮮な気持ちでした。
刑務所から出所した時もこんな気持ちになるんでしょうか。
いや、刑務所に入ってた場合は、以前の職場には戻れないだろうし、おそらく、これから大変だなあって気持ちが強いでしょう。

でも、破産の場合は、職場に知られることもなくそのまま働き続け、給料も今までどおり貰えます。
借りていた金融業者さんには申し訳ない気持ちもありましたが、法律が認めている制度なので、堂々と生きていけます。

これまでのような失敗を繰り返さないように家計簿も続けて、金銭の出入りはしっかりしようと心に誓いました。

 

 

 

自己破産申し込み

相談員の方の話によると、私の場合は必ず破産そして免責にになるかどうか判らないとのことでした。
なのでまずは任意整理を薦められたのですが、どちらにしてもブラックリストに載ってしまうことだし、私としては借金がゼロになる自己破産が魅力的だったし、
もし裁判所に破産が認められなかったら、それから任意整理を進めてもらえばいいと考えたのです。

結局、自己破産で進めることとなりました。
要求された書類はもう揃っていたので、相談員の司法書士の方と一緒に裁判所に行きました。
生まれて初めての裁判所で緊張しましたが、相談員さんが一緒だったので心強かったです。
法廷ではなく、会議室のような部屋で裁判官と3人で面談となり、少々説教じみたことを言われましたが、印象が悪くならないように素直に聞いておきました。

結果は後日再度裁判所に出向いて判決を受けることになりましたが、相談員さんが言っていたように破産が認めにくいような発言が裁判官の方からありました。
帰る道すがら相談員さんに破産が認められなかった場合のことも考えておくように言われました。
やはり相談員さんも裁判官の発言に破産にならない雰囲気を感じてたのだと思います。

ここまで来れば破産がダメだろうがどうだろうがもう結果を待つだけだと、開き直って判決の日を待つことにしました。

 

 

個人再生って何?

任意整理・自己破産以外に、個人再生という債務整理の方法もあります。

個人再生とは、借金が無くなるわけではありませんが、大幅に減額(5分の1または100万円)されて、その減額された金額を原則3年で返済するという制度です。
その減額された分さえ払えばいいということですね。
破産とは違い借金が残る代わりに、家などの財産は残すことができます。
住宅ローンが残ってても、それ以外の借金が減額の対象になり、住宅ローンの支払は継続して行くということです。
持ち家がある人には、とってもありがたい制度ですね。

私は持ち家ではなかったので、個人再生よりは破産のほうが借金が残らないからいいと思いました。
それで相談員の方に「自己破産でお願いします」と申し出ました。

 

 

自己破産が魅力的!

自己破産は、名前に強烈なインパクトを感じますが、その通り強力な債務整理手段です。
なにしろ今までの借金をすべてチャラにしてしまえるのですから、これ以上の効果はありません。

ですが、もちろんデメリットは一応たくさんあります。

まず、持っている財産はすべて没収されます。
貯金、有価証券、不動産、自動車、宝石貴金属など、金銭的価値の高い物はすべて借金と引き換えに差し出すことになります。

そのほかにも弁護士や税理士などの資格を必要とする職業はできなかったり、引越しや旅行ができなかったり、
郵便物が管理されたりというデメリットもありますが、これらは個人の破産の場合ほとんど関係ないようです。

なぜかと言うと、破産には「破産手続開始」と「免責許可」の2段階があって、職業や住所の制限は破産手続開始決定後、免責許可決定までの期間だけのことだからです。
めぼしい財産がない個人の場合は破産開始と免責が同時にされるのがほとんどだそうです。

また、破産するとそのことが官報という国が出している広報誌に名前が載りますが、そんなものを見ている人はほとんどいません。

1度破産するとその後7年間はもう一度破産することはできないというデメリットもありますが、
破産後5~10年は金融業者からお金を借りたり、クレジットカードを作ったり、ローンで買い物することはできないので、破産するような状況になること自体難しいように思います。

破産しても給料は今まで通り貰えて収入には影響がないので、生活は驚くほど楽になり、真面目に生活していれば貯金もできてお金を借りるような状況にならないように思います。


そう考えると実際のデメリットは、財産がすべてなくなることと、ブラックリストに載ることくらいです。
ブラックリストに載るのは任意整理でも同じです。
「破産者」と聞くと完全なダメ人間っていうイメージで避けたかったんですが、詳しく知ってみると逆にとても魅力的に感じました。